「see」「watch」「look」は中学で習う基本英単語ですから、いずれも「見る」という意味を持っていることぐらい皆さんご存知でしょう。でも、きちんとこれらの単語を使い分けている方は意外と少ないと思います。
例えば、“look at ~”は聞いたことがあっても、“see at ~”とは聞いたことがないのではないでしょうか。3つとも大まかな意味としては「見る」で同じですが、意味には微妙な違いがあるため、正しく理解して使い分ける必要があります。
そこで今回は「see」「watch」「look」という3つの単語のニュアンスの違いについて、よく使う熟語と一緒に紹介したいと思います。
lookは視線の動きを表す
lookには、他の場所から別の方向に視線を向けて「見る」という意味を持っています。
そのため、場所を表す前置詞の“at”と一緒に用いて“look at A”で「Aの方を見る」という意味になるのです。
lookには他にも以下のような熟語がありますので合わせて覚えてしまいましょう。
・look up : 上を見る
・look in : 中をのぞく
・look into A : Aをのぞき込む、Aを調査する
・look over : ざっと見る、調べる
・look up and down : じろじろ見る
seeは自然と視界に入るという意味を表す
seeには、意識しなくても自然に視界に入る意味の「見る」を表します。
そのため、lookが一点を見るという意味があるのに対してseeの方がもっと広い範囲を「見る」という意味を持っています。
以下はseeを使った熟語の例です。
・see through : すかして見る
・see ahead : 前を見る、未来を見通す
・see to A : Aの世話をする、Aの責任を持つ
・see with A : Aと同意見である
watchは目で追いかけるという意味
watchは目でしっかり追いかけて「見る」という意味を持っています。
そのため、lookとseeよりもwatchの方がじっくり「見る」という意味になるのです。watchの方が、lookとseeよりもしっかり「見る」とう意味を持つ熟語が多くなっています。
以下はwatchを使った熟語の例です。
・watch closely : じっと観察する、食い入るように見る
・watch A grow : Aが成長するのを見守る
・watch out for A : Aに注意する、Aに気を付ける
・watch alertly : 用心深く見る
watch a movie と see a movieの違いって?
次は“watch a movie”と“see a movie”の違いについて紹介します。
・I saw a movie yesterday.
・I watched a movie yesterday.
は2つとも「私は昨日映画を観ました。」という意味で、どちらの文も文法的に間違いではありません。
しかし、前者の「I saw a movie yesterday.」だと「私は(映画館で)映画を観ました。」という意味になり、一方の「I watched a movie yesterday.」だと「私は(家でDVDなどの)映画を観ました。」という意味になります。
さらに「I am watching a movie now.」とは言うことができても、「I am seeing a movie now.」と言うことはできません。
なぜでしょうか?
その理由は、seeという単語は「見る」という意味では進行形の形で使うことができないからです。なぜseeが「見る」という意味を持つときに進行形を使うことができないかというと、seeingという単語には「(人と)付き合う」という意味があるからです。
そのため、「I am seeing A.」という文は、「私はAと付き合っています。」という意味となり、「I am seeing a movie now.」では「私は映画と付き合っています。」という意味になってしまい、意味が通らなくなってしまうのです。
まとめ
lookには「ちらっと視線を動かして見る」、seeには「自然と視界に入ってしっかり見る」、watchには「注意をしてじっくりと見る」という意味があります。
単語一つ一つには同じ「見る」という意味がありますが、熟語を見ると違う意味を持つということが分かりやすくなります。また、seeingには「(人と)付き合う」という意味があるため、seeの進行形のseeingは「見る」という意味を持たないということが分かりました。
単語一つ一つで見ると意味の違いが分かりにくいですが、熟語で見ると違う意味を持つことが分かることが多くあります。他の単語でも意味の違いや使い分けがわからない!と言う単語があれば、熟語を調べてみると違いが分かることがあるので、調べてみてください。
担当ライター:さくら(もともと英語が好きで高3の大学受験終了後からTOEICの勉強を開始、大学2年生の時に自己最高で920点のスコアを取得。大学時代にドイツ語を第二外国語として学習していたため、ドイツに留学を1ヶ月半ほどした以外は海外旅行を楽しんでいただけです。現在も自己ベストのスコアを超えるべくTOEICの勉強中。)