みなさんはどんな方法で英語のリスニングの練習をしておられますか?
ライティングやスピーキングが独学で学習しにくい反面、リスニングは比較的容易に学習できるのではないでしょうか。インターネットの発達によって、海外のリスニング教材がフリーで聞けるというのが大きいですね。
今回は、オーストラリアのABCというラジオ局が運営しているABC Podcastsについて紹介します。
ABC Podcastsとは
英語学習というと、どうしてもアメリカやイギリスの英語を学習するという考えがわたしたちに強いように思います。実際経済や政治の中心がアメリカ合衆国なので、アメリカ英語を学ぶことに偏りがちになってしまうことは自然な流れだと言えるでしょう。
しかし、英語の学習にアメリカもイギリスもないんですね。最近ではフィリピンのセブ島にある語学学校に短期留学する日本人も増えました。そんななか、意外と盲点な国がオーストラリアです。オーストラリアは人口こそ約2500万人の国ですが、教育レベルの高い国なんですね。
英語学習の教材も用意されていて、ABCが運営するポッドキャストもそのひとつです。VOA(Voice of America)も有名ですが、毛色がちょっと違っています。
メリット① コンテンツが多いので飽きない
英語学習用のポッドキャストは、教育的配慮からコンテンツの内容や語彙のレベルを英語学習者向けにする傾向があります。しかし英語を実際に使用すると、たびたびわからない単語に出会います。日本語の場合でも、インターネットをしていると知らない言葉が登場することがありますよね。
そういうときでも、わたしたちはその言葉の意味を類推したり、相手に言葉の意味を訊ねたりします。英語も同様です。少々わからない言葉があっても、どんどんチャレンジして一般的な英語のポッドキャストを聞くといいですね。
とはいえ、自分のあまり関心のないトピックだと、言葉の意味も類推しにくいですし、途中で投げ出してしまうことも。
その点、ABCのポッドキャストはコンテンツが豊富です。子供向けのコンテンツやスポーツ、さらには哲学や科学といったトピックまであります。
The Science Show
http://www.abc.net.au/radionational/programs/scienceshow/
The Philosopher's Zone
http://www.abc.net.au/radionational/programs/philosopherszone/
わたしも大学に通うバスの中で、よくポッドキャストを聞いていました。どんな場所でも聞ける手軽さがポッドキャストの利点だと思います。
メリット② スクリプトがあるので、きちんとリスニングできているのかチェックできる
リスニングに限らずスピーキングやライティングにも言えることですが、自分の誤りを修正しないと英語力の向上は望めません。
スピーキングやライティングの場合は、英語教師やネイティブの知り合いに添削や修正してもらうことで、自分の誤りに気づくことができます。しかし、自分の誤りを訂正してくれる人が必要という難点があります。
その点リスニングの場合は、スクリプト(transcript)さえあれば自分の聞けなかった箇所を確認できますよね。
ABCのポッドキャストの場合、次のページで紹介されている音源にはスクリプトがついています。
Transcript Program
http://www.abc.net.au/radionational/transcripts/program/
自分の関心のある音源のページに行きますと、「show transcript」という欄がありますのでクリックすると、スクリプトが表示されます。
ちなみに音源はラジオ番組からの収録ですので、英語も学習用というより、一般向けですね。そのため、自然な英語にふれることができるので、リスニングの上達におすすめですね。
スクリプトの利点は、口語(話し言葉)の英語が学習できる点にあるのではないでしょうか。文語(書き言葉)ですと、硬い単語を用いたり、接続詞も堅苦しく用いたりします。他方、口語では句動詞(phrasal verb)を用いたり、接続詞を省略することもしばしばです。
スクリプトを観ながらポッドキャストを聞くことで、英語を話すリズムや感覚を身につきます。そうすることで、スピーキングの上達にも活かせるんじゃないでしょうか。
メリット③ 同時に実際に発音してみることで、口の筋肉が鍛えられて英語の発音が上達する
スピーキングの上達ということでいえば、ポッドキャストを聞きながらそれに続いて実際に発音してみることをおすすめします。
「シャドーイング(shadowing)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。シャドーイングとは、音声を聞いてすぐに復唱することですね。シャドーイングすることで、英語が感覚的に身につけられるとわかってきたので、英語上達法のひとつとして重要視されてきました。
わたし自身もバスの中でポッドキャストを聞きながら、シャドーイングをしていました。ただ周りの迷惑にならないように、バスの最後尾の端っこでこっそりとやっていましたね(笑)
英語の総合力が感覚的に身につけられるということでおすすめのシャドーイングですが、口の筋肉が鍛えられるという意味でわたしはシャドーイングをおすすめします。現地で英語を話すとわかると思うのですが、何を言っているのか相手に伝わらないことがあります。怪訝な顔をされるのもしばしば。
単語や文法が奇妙というよりも、英語らしいリズムがないから聞き取りにくいというのがその理由です。口の筋肉が、英語をスムーズに話すことに対応できるようになっていないんですね。
英語をきれいに話せるように口の筋肉を鍛えること、これがシャドーイングの利点じゃないかなと思っています。
まとめ
いかがでしたか。
ポッドキャストの紹介というよりは、英語学習法の話になってしまいました。わたしにとって、オーストラリアのABCが運営するポッドキャストには思い入れが強いです。
スクリプトをコピーして持ち歩きながら、バスの中で毎日ポッドキャストを聞いていました。スピーキングやリスニングの向上に役に立ったと自信をもって言えます。
ABCを含め、英語上達に役立つ一般向けのポッドキャストがありますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
担当ライター:Michikaku(英会話がなかなか上達せず英会話の学習法をいろいろ試した英語オタク。その甲斐あってロンドンにある大学院に留学を果たす。現在は、日本へ帰国し翻訳や学術・教育関連のライター業に従事)