海外旅行に行ったときや、仕事場で外国人客の対応をするときなど、普通の日本人でも英語を使う機会は多くあります。学校で習った基礎英語やメディアなどで流れるカタカナ用語を駆使して、簡単なコミュニケーションなら取れるという人も多いのではないでしょうか。
しかし、日本人がよく使う英語でも、ネイティブには誤解を生んでしまう単語や言い回しも多くあります。今回は、そのような、誤解されやすい英語をご紹介します。
I don't care ≠ 何でも良い
普段の会話の中で「なんでも良いよ」「なんでも結構です」という言い回しをする機会は沢山あります。
例えば海外でおしゃれなバーに行き、ウイスキーを頼んで、バーテンダーさんに「Which brand would you prefer?(銘柄はどれにしますか?)」などと聞かれたとします。
このような状況で、「なんでも結構です」と言いたくて「I don’t care」と言ってしまう日本人は多いですが、これは間違いです。ネイティブからすると「I don’t care」は「何でもよい」ではなく、「そんな事はどうでもよい」というニュアンスになるので、「態度の悪い客だ」と誤解を生んでしまいます。
外国人彼氏・彼女とのデートでも「何が食べたい?」と聞かれて「I don’t care(どうでもいい)」と言ってしまうと、「この人は自分に興味がないのだろうか?」と思われてしまいます。
このような状況では代わりに「I don’t mind anything.」や「Anything is fine.」が誤解を生まない正しい表現になります。
Smart ≠ 痩せている
日本語でスマートというと、「彼女はスマートな体でうらやましい」「ジムに行ってスマートボディーを目指す」などというように、「痩せている」という意味でも使われることが多くあります。しかし、ネイティブはsmartを「痩せている」という意味で使うことは無く、「頭が良い」という意味のみで使います。
もしネイティブの友達に会って「あなたはスタイルがいいね」とほめるつもりで「You are smart」と言ってしまうと、相手には「あなたは頭が良い」と言われていると受け取られてしまいます。どちらにしろ誉め言葉なので悪い印象は与えませんが、話がかみ合わなくなるでしょう。
英語で「痩せている」はskinnyやfitと言いますので、「You are skinny」「You are fit」のように使えば、「君はとてもスタイルが良いね」という意味になります。
Cooler ≠ クーラー
日本語では冷房のことをクーラーと言いますが、実はこれは和製英語です。英語でcoolerというと、バーベキューなどで冷たい飲み物などを入れておくクーラーボックスのことを指します。
例えば友達との会話で「My room gets so hot in summer.(私の部屋って夏になると凄い暑いんだよね。)」と言われて「クーラー使えば?」という意味で「Why don’t you use a cooler?」と言ったとします。
ネイティブの友達には「クーラーボックスを使えば?」と聞こえ、「え、クーラーボックスに入れって意味!???」と誤解されてしまいます。
英語で冷房はAir Conditioner もしくはACと言います。エアーコンディショナーは長いので、ほとんどのネイティブはAC(エーシー)と呼びます。エアコンとは略しません。
日本語でエアコンは暖房と冷房の両機能がついたものをいいますが、英語では冷房のみのことを言います。
ちなみに英語で暖房は日本語と同じくheater(ヒーター)です。ヒーターは通じるけれど、クーラーは通じないと覚えておきましょう。
まとめ
普段の会話でカタカナの外来語を使うことが増えてきたため、それが正しい英語だと信じてネイティブに対しても使ってしまうことがありますが、知らないと大きな誤解を生んでしまう表現もたくさんあります。また、文法的に正しくても、ニュアンス的にふさわしくない言い方になってしまうこともあります。
これらは学校ではなかなか教えてもらえないので、ネイティブと話していて相手が首を傾げたら、自分の表現が何か間違っていたかどうか聞いてみると良いと思います。
担当ライター:エレン (日本の高校を卒業後、レイクランド大学ジャパンキャンパスにて準学士号を取得し英語力を向上、その後アメリカのペンシルバニア州立大学にて教育政策学で学士号を取得。留学中から交際を続けていたアメリカ人男性と大学卒業後に国際結婚し、現在はニューヨーク在住。)