英語全般

海外の英語学校(ESL)ってどんな授業を行なうの?規則や集まってくる学生層について教えて!

「英語を読むことはできるのに、英会話となると、こんなにも話せないものか!?」

私が海外に初めて行ったときに感じたことです。それ以降、英会話をプライベートで教えてもらうなどしましたが、やはり週に1~2時間程度の勉強では全然上達しませんでした。

そういうこともあって、海外の英語学校(ESL)に短期留学を経験したことがあります。たった1ヶ月でしたが、今から思えば「あのときこうしておけばなあ……」と反省することも多い英語学校での経験でした。

そこで今回は、海外の英語学校への申し込みから実際の授業内容などについてお話ししたいと思います。

 

海外の英語学校(ESL)に入るまでの準備

このサイトをご覧の方にとっては当たり前のことかもしれませんが、「そもそも英語学校(ESL)って何?」というところから話を始めます。

ESL(English as a second language)とは英語を母語としない人(つまりわれわれ!)のための英語学校のことですね。TESOLやCELTAといった英語教授法の資格を取得した講師が在籍していることが多く、英会話を含めた英語の総合力を体系的に学習することができます。

TESOLとCELTA

TESOLはTeaching English to Speakers of Other Languagesの略で、英語が母国語ではない人々向けの英語教授法に関する資格です。TESOLは大学や各種認定機関が出すことができます。
一方のCETLAはCertificate in Teaching English to Speakers of Other Languagesの略で英国ケンブリッジ大学が認定する資格です。CETLAは英語を母国語とするような高い英語力が要求される資格でTESOLよりも難易度がかなり高いですが、国際的に最も認められている英語教師の資格です。

私の周りに英語学校に短期留学した人はいませんでしたので、ほぼ自分で情報収集するしかありませんでした。それこそ「英語学校に入るのに必要なビザは?」や「海外生活をどうするのか?」までさっぱりわかりませんでした。今でしたら、フラットシェアを利用してお金を節約するなど考えますけどね(笑)

今回私が選んだ国は、短期だと学生ビザの要らないカナダです。ホームステイの手配や学校の入学手続きもインターネットで行うことができました。

また、私は手数料の取られない仲介業者を通じて英語学校に申し込みましたが、自分が受講を希望したTOEFLやIELTSのような英語試験のためのコースではなく、一般コースに申し込まれていました。英語のライティングを苦にしないのでしたら、直接ホームページを通じて申し込んだほうが良いでしょう。

 

英語学校での勉強

私が通った英語学校は、韓国人や中国人といったアジア人が大半でした。中には、南米のチリやブラジルから短期留学する人もいますが、少数派です。年齢層はバラバラでリタイア後に留学している女性から、夏休みを利用して出席している現地の高校生などさまざまでした。職業も学生や退職して留学する人、ワーキングホリデーを取得した20代から企業から派遣されている人まで様々と言ったところです。

1日の授業時間は120分×2でそれほど多くありません。リスニングとリーディングがメインのコースでした。とはいえ、「母語禁止ルール」というのがあって、英語以外話してはいけないのですね。またクラスにも日本人がほとんどおらず、いやおうなしに英語で話さないといけないので、スピーキングの授業をわざわざ取る必要はありません。「スピーキングに特化して勉強したい!」というよりも「スピーキングは実践の中で身につけるもの」と頭を切り替えたほうがいいでしょう。

そうはいっても、これでは何を学習しているのかわからないという方もいると思うので、もう少し具体的な授業内容について一部だけ紹介します。

ロールプレイ

ロールプレイとはトピックが与えられて、そのトピックに応じた役割を演じながらほかの学生と会話をすることです。

会話の際にあるフレーズを用いる場合もありますし、一方がホームステイのホストの役割、他方が留学生の役割を与えられて状況をイメージしながら会話することもあります。

ディスカッション

英語圏の大学・大学院の授業でもよく行われるディスカッション。「W杯についてディスカッションせよ」や「ニュースの記事を読んで自分の意見を述べよ」のようなトピックが与えられて、議論します。

重要なのは、意見を言うだけでなく例を持ち出したり根拠を明確に述べることですね。もっともESLでそこまで堅苦しいディスカッションの形式を課することはありません。

学習者用英英辞典

ESLで印象的だったのが、英英辞典の使い方を教えることです。

英英辞書は英語を英語で説明した辞書ですが、意外と知られていないのが英英辞書に一般用と学習者用の2種類あることです。学習者用の英英辞書は2,000~3,000語の基本単語で説明文が書かれているので、英語初心者でも理解しやすいのが特徴です。

ESLでも学習者用の英英辞典を使って、単語の意味を調べさせたりするのです。英語を話すときに重要なのがパラフレーズ(paraphrase)で、自分の知らない単語であったとしても知っている単語で言い換える必要があるのですね。学習用の英英辞典は、パラフレーズがちりばめられているので、英会話にも役立ちます。

まとめ

ESLといっても1ヶ月だけですので、ほとんど英会話が上達することはありませんでした。ただ「間違っていても英語を何かを喋る!」という気持ちがつきました。

日本人以外のESLの留学生は、とにかく文法を間違っていても話します。だいたい、大学や大学院レベルでも(学部によりますが)正確な文法で話していない留学生がいます。あまり細かいことを気にせず、友達を作ったりしてどんどん話すことが重要ではないでしょうか。


担当ライター:Michikaku(英会話がなかなか上達せず英会話の学習法をいろいろ試した英語オタク。その甲斐あってロンドンにある大学院に留学を果たす。現在は、日本へ帰国し翻訳や学術・教育関連のライター業に従事)

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