数年前に流行語大賞でもノミネートされたことのある「ミニマリスト(Minimalist)」という単語。もはや日本では一つのライフスタイルとして定着した感がありますが、日本以外の外国でも、この「ミニマリスト」は流行っているのでしょうか?
大量生産大量消費の使い捨て大国といわれるアメリカですが、そんなアメリカでも近年、「ミニマリズム(Minimalism)」の傾向が強まってきています。
ファッションからライフスタイルといった個人の生活はもちろん、大企業のマーケティング戦略にまで組み込まれるようになっている、アメリカのミニマリズムについてみていきましょう。
ミニマリズムとは?断捨離との違い
「ミニマリズム(Minimalism)」とは日本語で「最小限主義」という意味で、沢山の物を所有したり、無駄な装飾を施したりせず、シンプルを好むことを言います。
流行語大賞にノミネートされた「ミニマリスト」はこの「ミニマリズム」から派生した造語で、日本語で言えば「最小限主義者」といったところでしょうか。
日本では断捨離ブームが起きて、多くの人が使わないものやいらないものを捨てて、シンプルにすっきりと生活しようとしていますが、これもミニマリズムの一環です。
断捨離という言葉が「物を捨てる」という意味だけなのに対して、ミニマリズムはデザイン性や生活習慣、食習慣まで、幅広い意味で使うことができます。
大企業のロゴがミニマルに変化!
アメリカのミニマリズムの波は個人の生活スタイルにとどまらず、ビジネスにも大きな影響を与えています。最も顕著な例が企業のロゴ変更です。
インスタグラム、グーグル、スターバックスなど、アメリカの大企業の多くが近年、従来の凝ったデザインのロゴから、細かなデザインや色の数を減らしたシンプルなロゴへ変更しています。
企業のロゴというのは通常、ターゲットの顧客層の好みに合うようなデザインを使用するため、これほど多くの企業がシンプルなデザインに変更しているということは、アメリカ人全体がミニマル(minimal)なデザインを好むようになってきているということです。
メモ
ミニマル(minimal)は「最小限の」という意味
ユニクロや無印良品がアメリカでは「クール」
ユニクロは日本では、安くて機能性が高いがデザイン性は低いブランドというイメージですが、アメリカでは逆に「クール(cool)でスタイリッシュ(stylish)」なブランドとして定着しています。
メモ
coolは「冷たい、涼しい」という意味の他に、「カッコイイ」「すごい」といった意味でも良く使われます。
基本的に無地で形もシンプルなユニクロの洋服は、ミニマリストなアメリカ人たちの服のセンスにぴったりで、「このジャケット、ユニクロなんだよ!」と自慢できるくらい人気です。またアメリカのショッピングモールでもユニクロの店舗は人気で、若い男女が洋服を買いにユニクロに行ったりします。
またシンプルを特徴とした無印良品も、最近はニューヨークやロサンゼルス、ボストン、サンフランシスコなど、アメリカの大都市で店舗数補増やし、大人気のブランドとなってきています。
まとめ
日本で流行っているミニマリズムは、地球の裏側のアメリカでも同じようにブームとなっています。
経済成長期の頃は「なんでも豪華で、盛大で、大きく、沢山が良い」というような傾向がありましたが、経済が安定し始めている日本やアメリカでは、「気張らずに生きる」「資源を無駄にしない」など、新しい考え方にシフトしてきているのかもしれません。
担当ライター:エレン (日本の高校を卒業後、レイクランド大学ジャパンキャンパスにて準学士号を取得し英語力を向上、その後アメリカのペンシルバニア州立大学にて教育政策学で学士号を取得。留学中から交際を続けていたアメリカ人男性と大学卒業後に国際結婚し、現在はニューヨーク在住。)