昨今のスマートフォンの普及により、電子辞書ユーザーが減少しています。既報の通り、今年、セイコーインスツルメンツが電子辞書ビジネスからの撤退を決めました。
ただ、本格的に英語を学ぶ人にとって、電子辞書はスマートフォンでは代えられない必需品という声も多いようです。
さて、先日、英語スピーチコンテスト「KVA CUP」で3位に入賞した現役高校生の安藤くんも電子辞書を活用しているとのことで、記事をご紹介。
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安藤さんは公立の中高一貫校に通い、現在5年生(高校2年生)。堂々としたスピーチが非常に印象的で、英語はずっと得意だったのか尋ねると「実はあまり得意ではなかった」と意外な答えが。
そんな安藤さんの転機となったのが、4年生(高校1年生)のときにアメリカで1年間過ごした留学だという。「留学の動機は、語学勉強をしたい!という本格的なものではなく、海外を経験したいという思いから。自分で留学情報を探し、試験をクリアして家族を説得したんです」と語る安藤さん。
留学を機に購入したのがカシオの電子辞書「エクスワード」で、その存在は在米中はもちろん、帰国後も手放せないものになっているという。「英語が得意という訳ではなかったので、留学中は分からない単語をひたすら調べていました。また、"おっ! それなあに?"と、クラスメートからエクスワードを珍しがられましたね。会話のきっかけ作りにも役立ってくれました。アメリカにはこういった製品がないそうなんです」(安藤さん)。
実際に持参してくれた電子辞書「エクスワード」は、アメリカ留学の際に購入した愛用のもの。安藤さんのお気に入りは、いろいろな言葉を次々と検索していける「かんたんサーチ」機能。エクスワードに収録された辞書の使い分けなどを意識せず、スムーズに利用できるのが便利とのこと
今でも学習で頻繁に利用しているエクスワードの機能が、安藤さんお気に入りの「かんたんサーチ」。この「かんたんサーチ」は、調べたい語句をエクスワードに内蔵された辞書で横断的に調べられる機能だ。実際に、他の「KVA CUP」出場者のスピーチを聞いているとき、バッグからエクスワードを取り出して語句の意味を調べていた。「分からない単語はすぐに調べないと忘れちゃうから…」(安藤さん)。分からないことを即座に調べる手軽さや機動力は、電子辞書の大きな優位性だろう。
さて、日頃の学習では、電子辞書をどのように活用しているのだろうか。「今ではクラスの大半が電子辞書を使用しています。紙の辞書を持ち歩いている人はいないのでは」(安藤さん)というほど、学習スタイルのなかに定着しつつあるようだ。
「リスニングが苦手な人はネイティブの発音を聞いて勉強していますし、僕は英語以外では古語の勉強でよく利用しています。また、単に語句の意味を知るだけではなく、そこに表示されている例文が、実はテスト対策に役に立っているんです」(安藤さん)と、意外な利点も挙げてくれた。
ここで、四十路男にふと素朴な疑問が生じる。スマートフォンやインターネットでも、同じように言葉の意味を調べることができるのでは? と。
安藤さんいわく「インターネットで調べごとをすると必要のない情報も検索されてしまい、目的を果たすのに時間が掛かるし、学校内でスマートフォンを使うことは禁止されているんです」とのこと。電子辞書なら校内で堂々と使用できるし、調べるスピード、作業効率を考えると、これに勝るものはないそうだ。