AlthoughとThoughは、どちらも「〜だが」「〜であるが」といった否定の意味を持つ従属接続詞です。
メモ
従属接続詞というのは、<S+V>のカタチを、1セットで名詞や副詞1個分の働きをするものとして、より大きな文に組み込める状態にする語
(出典:英文法のトリセツ 中学レベル完結編)
AlthoughもThoughも、意味と使い方は基本的には同じです。
ただしAlthoughは文語的で丁寧な表現、Thoughは口語的でやや砕けた表現となり、使われるシチュエーションやニュアンスも文法によってそれぞれ違ってきます。
それではそれぞれの使い分けを詳しく見ていきましょう。
Althoughは文語的で丁寧な表現
AlthoughはThoughと比べると少し硬い表現となります。口語でも頻繁に使われますが、ビジネスやスピーチなど少しフォーマルな場で使われることが多いです。
Althoughには文法的に2つの使い方があります。
最初の使い方は、まず1つ目の<S+V>を書いた後にそのままAlthoughを置き、その後2つ目の<S+V>を書くという方法です。
例1)It is sunny today although it was raining yesterday.
(昨日は雨が降っていたが、今日は晴れた。)
この文では「今日は晴れた」ということを強調しているニュアンスになります。
もう一つの使い方は、文頭にAlthoughを付けて1つ目の<S+V>を書き、その後にカンマ「,」を打ち2つ目の<S+V>を続けるという方法です。
例2)Although it was raining yesterday, it is sunny today.
(昨日は雨が降っていたが、今日は晴れた。)
この文ではAlthoughという否定語を文頭に置くことによって「昨日は雨が降っていたにもかかわらず」という部分を強調したニュアンスになります。
日本語では必ず結論部分の<S+V>が後に来ますが、英語ではこのように、強調したい部分によって前後を入れ替えることができます。Thoughの場合も、全く同じようにこの2つの使い方をすることができます。
Thoughは口語的で砕けた表現
Thoughはどちらかと言うと口語的で、文法的にはAlthoughと同じように文頭か文中のどちらかに置いて使うことが出来ます。
ただしThoughはそれに加えて、特に話し言葉の中でThoughを文末に置くことで、副詞として機能させることも出来ます。
例1)”Hey, have you watched the movie?”
(ねえ、あの映画もう観た?)
”No, I already bought a ticket though.”
(いや、チケットはもう買ったけどね。)
例2)”That restaurant was so good!“
(あのレストラン凄く良かったね!)
”Yeah, it was a bit far though.”
(ああ、ちょっと遠かったけどね。)
これらの場合、文末のThoughは接続詞としてでなく、単独の副詞として文全体の語尾に「〜だけどね」という意味を付け足しています。
Althoughではこのような使い方は出来ません。
まとめ
基本的にはAlthoughもThoughもほぼ同じ意味と文法で使うことができますが、英語上級者はシチュエーションによって使い分けられるとスマートです。
特に最後に紹介したThoughの副詞的な使い方は、ネイティブの会話の中でとても頻繁に出てくるので、しっかり理解しておくとネイティブとの英会話の際に役に立つでしょう。
担当ライター:エレン (日本の高校を卒業後、レイクランド大学ジャパンキャンパスにて準学士号を取得し英語力を向上、その後アメリカのペンシルバニア州立大学にて教育政策学で学士号を取得。留学中から交際を続けていたアメリカ人男性と大学卒業後に国際結婚し、現在はニューヨーク在住。)