TOEICなどの検定試験で単語が分からなくて点数を落としてしまったり、英文を読むときに辞書がいつまでも手放せなかったり、語彙数と言う英語学習の壁にぶつかっていませんか?
今回の記事では、語彙数がなかなか増えないとお悩みの方に向けて、英単語の成り立ちを理解することで単語数を増やすちょっとしたコツをご紹介します。
目次
英単語の成り立ちとは
日本語を例に
英語の話に入る前に、少しだけ日本語の質問にお付き合いください。
「還住」はどういう意味でしょう?
ひねったクイズではありませんので、残念ながら面白い答えはありません。
辞書によると、「もとの場所にかえって住むこと」だそうです。正確に答えられなくても、漢字(熟語のパーツ)をみてだいだいの意味は分かった方が多いのではないでしょうか。
英単語もパーツから成り立っている
実は、英語の単語も同じようにパーツから成り立っています。
例えば、Intergenerationalと言う単語の意味はわかりますか?わからなくても辞書はまだ引かないでください。一緒にパーツに分けて見てみましょう。
この単語は、inter-(間)と、generation(世代)と、-al(…の)と言う3つのパーツから構成されています。パーツに分けると意外と理解しやすいですね。Intergenerationalは「世代間の」と言う意味の形容詞です。
成り立ちを学ぶと語彙力が上がる
英単語の、特に長い単語はパーツの組み合わせで成り立っています。パーツごとの意味を理解すれば、長い単語も辞書を引かなくても理解できるようになりますし、暗記しなければいけない単語の数もぐっと減ってきます。
英単語の成り立ち
3つのパーツ
では実際にどんなパーツを覚えればいいかと言うと、単語の最初につく「接頭語」と、語形変化の基礎になる「語幹」、そして単語の最後ににつく「接尾語」です。
語幹のみで完成する言葉もありますし、接頭語だけ、接尾語だけ、あるいは複数の接頭語や接尾語がつく単語もあります。
イメージをつかんでいただけるよう、それぞれの例を少しだけご紹介しましょう。
接頭語(PREFIX)
接頭語はIntergenerationalのinter-の部分です。
co-: 「共同」「共通」「相互」「同等」、cooperation・collaborate・coworker
in-, im-: 「無」「不」、impossible・incorrect・inappropriate
pro-, pur-, pre-: 「あらかじめ」「…以前の」「…の前部にある」、proactive・purpose・prefix
語幹(STEM)
語幹はIntergenerationalのgenerationの部分です。
act: 「行動」「演技」、activate・action・actor
judge: 「審判する」「判断する」、prejudge・judgement・misjudge
labor: 「働く」、collaborate・overlabor・laboratory
接尾語(SUFFIX)
接尾語はIntergenerationalの-alの部分です。
-ance, -ence: 「行為」「性質」「状態」の意の名詞を作る、allowance・issuance・influence
-less: 「…のない」「…しない」「…できない」の意の形容詞を作る、windless・careless・sleepless
-ify: 名詞・形容詞に付けて「…化する」「…にする」「…になる」の意の動詞を作る、unify・clarify・identify
接尾語には、名詞を作るもの、形容詞を作るもの、形容動詞を作るもの、動詞を作るものがあります。
TOEICなどの単語選択問題では、単語の意味が分からなくても適切な品詞の単語を選ぶことで点数を稼ぐ裏技も使えてしまいますのでイメージをつかんでおくと便利です。
勉強法
書籍で勉強する
接頭語や接尾語を集中的に覚えるための単語帳なども出版されているので、そういった書籍で勉強することも可能です。
今の勉強+辞書で乗り切る
新しい勉強に手を出す余裕がない方は、意味が分からない英単語に出会った時に、辞書を引く前に単語をパーツに分けて意味を類推するようにしましょう。最初はパーツを知らず、慣れていないこともあり、なかなか類推できないと思いますが、徐々にわかるようになってきますので、しばらく続けてみてください。
そして、辞書を引くときは、単語の意味の前に記載されている「単語の成り立ち」を確認する癖をつけましょう。ここには接頭語や接尾語、語幹の意味などが書かれています。知識を増やすのが目的なので、覚える必要はありせん。増やした知識は、次に似たような言葉に出会った時に類推する力になります。
さらに、辞書を開いた時には、前後の単語にも少しだけ目を通してみてください。同じ語幹で接尾語が異なる単語を目にすることができます。このような使い方ができるので、単語数を増やしている間の勉強には、紙の辞書が適しています。
辞書の質にこだわろう
もし手元の辞書に「単語の成り立ち」が掲載されていない場合は、あなたの英語の勉強が進んで、その辞書では物足りなくなっている証拠です。思い切って辞書をアップグレードしてしまいましょう。
いい辞書はお値段もいいので購入をためらってしまいますが、覚えられずに埃をかぶっている単語帳に比べると、投資の分だけ知識を授けてくれるいい相棒になってくれます。
パーツで英単語を理解する訓練を数か月続ければ、辞書を手にする回数が減っていることに気付くと思います。語彙数の壁を突破して英語力が次のステージに上がると、専門的な用語を辞書で引くステージに入りますので、新しい相棒は大事に扱ってあげてくださいね。
担当ライター:Hitomi.K(高校までの英語の成績が良かったため、勘違いして外資系企業に入社。英語の資料は読めず、初の海外との会議ではHelloしか聞き取れず挫けそうになるも、給料が良かったのでしがみつく。独学で英検1級合格。その後も外資数社で勤務。たまにアメリカに在住経験があると思い込まれて困惑する。)